奈良の遺跡、行基を供養の仏塔か

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共同通信

 奈良時代の高僧・行基(668~749年)が畿内に建立した「四十九院」の一つ「長岡院」の有力候補地、菅原遺跡(奈良市)で、柱穴が円形に並ぶ異例の建物跡(8世紀中ごろ)が見つかり、20日、元興寺文化財研究所(奈良市)が発表した。円形建物は故人を供養するために建てられるといい、今回の建物は行基の供養のため建立された仏塔の可能性がある。

 四十九院で現存している寺は10カ所もないとされ、実態を知る手掛かりとなりそうだ。同研究所の村田裕介研究員は「円形建物跡は類例が見当たらず極めて珍しい。多宝塔(仏塔の一種)だった可能性はあるだろう」としている。