1日朝にブロンクス区でメトロノース鉄道の列車が脱線し少なくとも4人が死亡、60人以上が重軽傷を負った事故は、祝日明けの2日、ニューヨーク市および郊外を結ぶ同列車の利用者などに多大な影響を及ぼした。メトロノース鉄道は、「現段階では再開の目処はたっていない」と発表しているが、運行再開には1週間以上かかる見通し。
在ニューヨーク日本国総領事館は2日昼、事故車両には28歳の邦人女性が乗車しており、頭を強打したため病院で検査を受けたが、命に別条はないと発表した。
今回の事件について米運輸安全委員会(NTSB)は係官を派遣し、事故状況や原因などの調査を引き続き行っているが、事故車両に乗り合わせた一部の利用者からは、「いつもより異様に運行速度が速かった」との証言もあるようだ。
2日にNBC局の番組「トゥデイ」に出演した同州のアンドリュー・クオモ知事は、「想像以上に事態は深刻である」と述べた。
地元紙ニューヨーク・ポストは2日の紙面で、列車を操縦していたのは、20年の経歴を持つベテラン運転士のウィリアム・ロックフェラー・ジュニア氏(ロックランド郡在住)であったと報じている。
事故が起きた路線は平日は多くの通勤客が利用しており、年間の利用客数は約1590万人に上る。