運転士、うたた寝運転か 事故時の走行速度は規定の2倍以上

 4人が死亡し、60人以上が負傷したメトロノース鉄道の脱線事故で、運転士が事故直前、うたた寝状態だった可能性があることが、大手テレビ局NBC4の調べにより明らかとなった。同局によれば、警察当局への取材により、運転士が「電車が脱線した瞬間のことを思い出せない」と話していたことが分かっている。
 事故では、脱線した列車がハーレム川の川岸を滑り落ち、乗客の一部は窓から外に放り出されるなどした。
 事故のあった急カーブは、本来は時速30マイルでの走行が定められているが、回収されたブラックボックスからはカーブに差し掛かった段階で時速82マイルのスピードが出ていたことも判明。
 このほか、ブラックボックスからは事故直前にブレーキがまったく効いていない状態だったことも確認されているが、ブレーキそのものには今のところ異常は見つかっておらず、人為ミスの見方が強まってきた。
 AP通信によると、運転士は最近、夜勤シフトから日勤シフトに配置換えされていたという。
 国家運輸安全委員会は現在、事故の原因究明に当たっており、乗務員全員への聞き取り調査を開始したほか、運転士らの携帯電話の履歴を調査しているという。
 鉄道技師の労働組合によれば、運転士は現在「大きなショックを受けている状態」で、「乗客の命が失われたことに非常に動揺している」という。