著作権侵害でレプリカの作者が郵政公社を提訴 自由の女神切手
ラスベガスにある自由の女神像のレプリカを制作した彫刻家がこのほど、自身の作品を勝手に切手のモチーフに使用されたのは著作権侵害にあたるとして、米郵政公社(USPS)を連邦裁判所に提訴した。
この切手は2011年に発売されたものだが、切手のモチーフに使われた自由の女神像の写真がニューヨークにある本物ではなく、ラスベガスのニューヨーク・ニューヨークホテル&カジノにあるレプリカの写真であることが、切手のコレクターや専門家の指摘により後に判明した。
ミス発覚後、USPSは画像サービスのサイトからこの写真を選んで切手に使用したと説明。その後も販売を続け、現在までに全世界で40億枚が流通している。
提訴した彫刻家のロバート・デビッドソン氏の弁護士は、同氏の作品は本物に比べ「より生き生きと官能的」で、明らかに違う箇所がいくつもあると指摘。さらにUSPSが間違いに気付いた後も、同氏に許可なく切手の印刷を続けたのは著作権侵害にあたる、と説明している。
弁護士側は発売から提訴までに長い時間が経過していることに関しては、理由を明らかにしていない。
なお、ことし9月には切手のモチーフに関する著作権侵害で同様の裁判の判決が下り、原告側はUSPSから50万ドル以上の和解金を勝ち取っている。