アストリアにハリウッド風の野外スタジオ 映画産業の拡大狙う

 クイーンズ区アストリアにある撮影所カウフマン・アストリア・スタジオにこのほど、ニューヨークでは初となる野外スタジオと正門が増設された。これらは、増加するニューヨーク市でのテレビおよび映画撮影の需要に対応するため、また荒廃状態にあった同地域を芸術の中心として活性化させることを目的としている。
 新野外スタジオは、同地36丁目の34〜35番街の1ブロックに設けられており、撮影所として貸し出される。これまで野外のシーンを撮影する際には、製作会社は市に許可を得て道路を封鎖したり、天候によりスケジュールの調整をしなければならなかったが、同撮影所内の新野外スタジオのセットを利用すれば、このような問題にわずらわされることなく撮影を行うことができるようになる。
 また新たに設置された正門はハリウッドを彷彿させる出で立ちで、「カウフマン」という文字が高々と掲げられている。
 かつて荒廃状態にあった同地域は、撮影所創設者のジョージ・カウフマン氏が1980年に市から同敷地を借り入れて撮影所を開設して以来、インフラが整備され、博物館や映画館、フランク・シナトラ芸術学院、レストランやバーなどが次々と新設され、活性化に成功した。
 今回の増設を受け、同地周辺には住宅やホテル、観光施設の建設も見込まれており、今後さらに経済発展を遂げることとなりそうだ。