NY市で高齢女性狙った詐欺横行 「偽札捜査のため」と偽り現金要求

 ニューヨーク市警察庁(NYPD)は13日、市内で高齢女性を標的にした詐欺事件が横行していることを明らかにした。
 詐欺の手口は、警察官または銀行職員を装った男が高齢の女性に「あなたの娘が偽札の利用で身柄を拘束されている。金はあなたの銀行口座から引き出された可能性がある」などと電話をかけ、捜査のために口座から現金をすべて引き出すよう指示するというもの。
 同様の詐欺は2011年6月からことし11月にかけて24件発生しており、これまでに18人の高齢女性が実際に現金を引き出し、犯人に渡している。被害総額は33万3000ドルに上るという。
 NYPDは11日、ことし7月に被害に遭ったブルックリン区在住の84歳の女性が犯人に直接会った際の映像を公開し、情報の提供を呼び掛けている。
 NYPDによると、犯人は4人グループと見られており、全国を移動しながら同様の詐欺を働いている疑いがあるという。
 警察は、「被害者に子どもがいない場合でも、捜査に協力するように強い圧力をかけられ、指示に従ってしまう人が多い。だが、実際には警察官が金銭の引き渡しを要求することは絶対にあり得ない。そのことさえ覚えておけば、このような詐欺事件の被害者とならずにすむ」と注意を促している。