鶏肉の約半数から耐性菌検出 消費者団体、抗生剤使い過ぎを指摘

 米消費者団体コンシューマー・レポートは19日、国内で流通する鶏胸肉の半数から、抗生物質に耐性を持つ「スーパーバグ」と呼ばれる細菌を検出したと報告した。深刻な食中毒や疾病を引き起こす可能性があるため、同団体は家畜用飼料に混合する薬剤の規制強化を呼び掛けている。
 調査はことし7月、国内の小売業者で販売されている鶏胸肉のサンプルを分析し、行われた。その結果、ほぼすべての鶏肉から有害な細菌を、さらにその半数から3種類以上の抗生物質に耐性を持つ細菌を検出した。
 米食品医薬品局(FDA)は先週、家畜に対する薬剤投与に関し、3年間で段階的に使用料を減少させる規制案を発表している。しかし、コンシューマー・リポートは今回の調査結果をもとに、抗生物質の投与を人と病気の家畜に限定し、耐性菌に汚染された鶏肉を流通させないよう、より厳格な法整備を政府に求めていくとしている。
 これに対し畜産業者らは、FDAの規制案に協力していく考えを表明しながらも、家畜に対する薬剤投与が人体に及ぼす影響はごく僅かであると強調している。
 同リポートは消費者に対し、鶏肉を調理する場合は必ず華氏165度(摂氏73.8度)に達するまで加熱し、生肉を扱うまな板は、他の食材を扱うものとは別のものを使用するよう助言している。