正常化から取り残されるNY州
市内、コロナ禍の爪痕深く
CNNと格付け会社ムーディーズが共同で開発したコロナ禍からの「正常化指標」によると、18日現在で全米平均が93%、ニューヨーク州は83%で遅れている。90%を下回る州は他にもあるが、ニューヨーク州は最低だ。CNNが23日、報じた。
コロナ前の2019年、ニューヨーク州内の総生産は1兆8千億ドルだった。テキサス州、カリフォルニア州に次いで米国内3位。イタリア一国のGDPに匹敵していた。その内、1兆ドル以上はニューヨーク市が貢献していた。それが昨年5.9%減少し、経済成長は全米50州中47位にとどまる。失業率をみると、現在7.8%。全米では4月が6.1%、5月が5.8%で見劣りがする。
主な要因はニューヨーク市での、都市封鎖(ロックダウン)による経済的打撃が大きい。元々、サービス産業偏重だったため「出張者や観光客が落ち込み、深刻な打撃を受けた」とムーディーズのアナリスト、マット・コルヤー氏は分析する。正常化指標のひとつ「レストラン利用客」でも、ニューヨーク市内はコロナ前を40%下回る。全米平均は、13%の減少に過ぎない。
さらに、経済再開に慎重だったことも影響している。オフィスの再開は遅れ、その爪痕は深まった。コルヤー氏は「先週から規制が解除されており、傷が多少癒えるだろう」と話している。
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