NJ州知事に新たな疑惑浮上 NJ州知事に新たな疑惑浮上

 側近が政治的な動機で意図的にジョージ・ワシントン橋に渋滞をもたらした「報復渋滞疑惑」の渦中にいるニュージャージー州のクリス・クリスティー知事に、新たな問題が浮上した。ハリケーン「サンディ」の復興支援として連邦政府から受けた補助金の使い道をめぐり、住宅都市開発省(HUD)が調査に乗り出している。
 2012年10月に米東部を襲ったサンディにより、沿岸部に大きな被害を受けた同州は、復興支援として連邦政府から2500万ドルの補助金を受けた。州はこの補助金を資金として、観光事業活性化のためにテレビコマーシャル(CM)を制作したが、民主党下院議員のフランク・パロン氏は、州はCM制作業者を選定するにあたり、もっとも低い入札金額を提示した業者ではなく、それより220万ドルも高い制作費を提示し、CMに知事の家族を登場させるアイデアを提案した業者が選ばれたことに疑問を持ち、HUDに調査を依頼した。
 約30秒間のこのCMは昨年、何度も繰り返しテレビで放映されており、昨年末に行われた州知事選で再選を目指していた知事にとっては、都合の良い無料キャンペーン広告となった。
 だがCMを制作したMWW社は、入札の時点で知事の起用は決まっておらず、また最終的には入札業者の中でもっとも低い額でこの製作を請け負ったと反論している。