ことしで20年目を迎えるニューヨーク州都市交通局(MTA)の乗車券(通称:メトロカード)だが、これに変わる新しい料金支払いシステムが導入される日も遠くないようだ。
ニューヨークでは1994年、マンハッタン区のホワイトホール通りとウォール街駅の2カ所に最初のメトロカードの読み取り改札が設置された。青地に金の文字が入った当初のメトロカードは、97年にはそれまで使用されていたトークンに取って代わり、全線で使用されるようになった。
その後、無料乗り換えサービスや一定期間の乗車無制限カード(アンリミテッド)を導入するなどの改良を重ねてきたが、コスト面などの理由により、新たな料金支払いシステムの開発の必要性が問われていた。
2006年には、当時のMTA局長であったジェイ・ワルダー氏の下、メトロカードに代わる非接触型支払いシステムのスマートカードが開発され、10年に4〜6番線の一部やパストレイン、市バスで試験的に導入されたが、1年後に同氏が辞職し、普及には至らなかった。
MTAは今後、スマートフォンを使ったタッチ式改札システムなど、多様な方法により運賃の支払いができるシステムを社外の企業が開発することを期待しており、総合的なシステムは20年までに導入されるだろうとしている。
新支払いシステムでは、市内を走行する地下鉄やバスだけでなく、郊外からのメトロノースやロングアイランド鉄道、パストレインといった異なる交通機関の支払いも、ひとつのシステムで行えるようになるという。