ニューヨーク市のビル・デ・ブラシオ市長は17日、昨年6月に制定された有給の病気欠勤日を認める条例が、より小さな企業にも適用されるよう改正を加えた。
ことし4月より施行予定の同条例は、従業員が20人以上の企業は、従業員に年間5日までの有給の病欠を認めなければならないと定められていた。だが今回の改正により、この条例が適用される企業の範囲を、5人以上の従業員を擁する企業へと拡大した。これで、さらに30万人の市の労働者が、同条例の恩恵を受けることが可能となった。
前市長のマイケル・ブルームバーグ氏は、いったん可決されたこの条例案に対し、「有給病欠の日数は、各企業がそれぞれ設定すべき」とし、拒否権を行使した。だがその後、市議会が拒否権を覆し、同条例は成立した。
デ・ブラシオ市長は、昨年の市長選キャンペーン中、同条例の改正を主要な政策として挙げていた。民主党候補を決める予備選で、市長との戦いに破れた前市議会議長のクリスティン・クイン氏は当初、同条例案に反対の姿勢を示していた。
条例支持者は、労働者が金銭的問題のために健康を蔑ろにするべきではなく、また病人が出勤することで、顧客や同僚までにも感染症などによる影響を与えてはならないと主張していた。
一方、小規模企業の経営者らは、条例の改正は負担になると訴えている。