昨今のワインブームにより、ニューヨーク市内には質の高いワイン専門店が次々と増えファンを喜ばせているが、既存店との間での競合も懸念されている。
州の記録によると、アルコール飲料の販売許可を得て営業している市内のワイン専門店および酒屋は1368店舗で、2010年から14%も増加している。ニューヨーク市は今や「世界のワインの中心地」と化し、販売店や店頭に並ぶ商品の質が向上している。
最近オープンしたワイン専門店のオーナーの中には、ワイン好きが高じて脱サラした元会社員や、失業した投資アナリストなども。品揃え以外にも、店内のデザインや温度調節、陳列方法などにも随所にこだわりが見られる。
店を始める前は病的なワイン収集家だったという、東57丁目のワイン専門店「クラッシュ・ワイン&スピリッツ」のロバート・シャグリン氏は不動産業界を経て、夢だったワイン店の共同経営者となった。同店は、リアーナやジョージ・クルーニーなど、有名人の顧客も多い。
一方、ワイン専門店が増えても同市の人口は変わっていないため、供給が需要を上回り、価格割れするのではとの懸念の声も聞かれる。
ワイン協会によると、12年の米国のワイン消費量は8億5600万ガロン(32億4000万リットル)で、07年と比較すると15%も増加したこととなる。