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共同通信
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新型コロナウイルスの影響で史上初の延期となった東京五輪は23日午後8時から国立競技場で観客を入れずに開会式を行い、開幕する。22日には式典の制作、演出を担当した小林賢太郎氏がホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)を題材としたコントを巡って解任され、選手らが陽性となる事例も相次ぐ。東京都の感染拡大ペースも加速する中、かつてない混乱と不安を抱え、祝祭ムードは高まらないまま17日間の大会が幕を開ける。
菅義偉首相は小林氏の問題に関し「言語道断だ。全く受け入れることはできない」と述べた。楽曲を手掛けた小山田圭吾氏に続いて主要メンバーが直前に退く異常事態となったが、首相は式典は予定通り行うべきだとの認識を示した。
大会組織委員会は、海外から来日し選手村に滞在していた選手2人を含む、12人の関係者が新たに陽性と確認されたと発表した。「安心、安全」な大会開催に向け、組織委は関係者の行動制限などでさらなる対策強化を打ち出したが、実効性を疑問視する声は絶えず、世論の強い反発も収まらない中での開幕となる。
1964年東京五輪以来、57年ぶり2度目となる大会には207カ国・地域から約1万1千人の選手が参加予定。出発前や来日後の検査で陽性となり、欠場を余儀なくされるケースや、濃厚接触者が試合当日まで出場可能か判明しない状況も生じている。
22日始まったサッカー男子の1次リーグで、日本は新型コロナの陽性者が出た南アフリカと対戦。実施が危ぶまれたが、午後8時のキックオフの約2時間前に開催が決まった。ソフトボールの日本は、メキシコとの延長戦を制し開幕2連勝とした。