ニューヨーク市のビル・デ・ブラシオ市長は18日、マンハッタン区アッパーウエストで行われた記者会見で、同市を歩行者にとって安全な場所とするための「ビジョン・ゼロ」と題した交通事故撲滅計画を発表した。
同計画では、①制限速度を時速30マイルから25マイルへ減速②信号無視やスピード違反車両を捕らえるための監視カメラの増設③事故を起こした運転者への罰金の増額④無謀運転のタクシー運転手の取り締まりの強化―など、今後10年間における歩行者の死亡事故を減少させるための63の取り組みが提案されている。市警察庁(NYPD)のビル・ブラットン長官は、無謀運転の取り締まりと交通事故の調査にあたる警官を増員する意向も明らかにした。
NYPDの統計によると、歩行者死亡事故の70%はスピード違反と交差点での不注意な右・左折が原因とされている。
また、市では年間約250人の歩行者が交通事故により死亡し、約4000人が重傷を負っている。記者会見が行われた公立第75校から1ブロックの範囲でも、ことしに入ってすでに3人が死亡。約2年前には、同校の生徒も犠牲となっている。
「ビジョン・ゼロ」の取り組みは、スウェーデンや英国などの都市ですでに取り入れられており、効果が認められている。