2001年の米中枢同時テロで心的障害を患ったなどと虚偽の申し立てを行い、社会保障給付金を騙し取った疑いで、新たにニューヨーク市警察庁(NYPD)と市消防局(FDNY)の元職員を含む28人が25日、逮捕された。同市では1月にも、同様の罪状で元警官および元消防員など106人が起訴されている。
元職員らは、テロ発生後に世界貿易センターへ出動して作業に当たったことが原因で、心的外傷後ストレス障害やうつ病、不眠など、精神的な後遺症に苦しんでいると訴え、多額の給付金を受給していた。
情報筋によれば、今回の逮捕者には、1月に逮捕された106人のうち、指南役として組織的に不正を計画した元警官のジョセフ・エスポジト被告の息子と、年金コンサルタントのトーマス・ヘイル被告の息子も含まれているという。
両被告らは、元警官らに虚偽申請の話を持ちかけ、精神疾患を装う方法などを伝授していたとされる。
前回の逮捕者が受給していた給付金額は総額2140万ドルに上り、中には一人で46万ドルを騙し取っていたケースもあった。
元警官らは給付金の受給後、水上スキーを楽しんだり、空手の指導者として活躍していたことが分かっている。
NYPDは、およそ1000人が同様の給付金搾取に関与している疑いがあるとして、今後も捜査を続ける。