米アメリカン・フットボールリーグ(NFL)競技委員会は、3月に行われるオーナー会議で、来季より、黒人を指す蔑称として使用される「Nワード」を競技場で使用した選手に、15ヤードのペナルティを科すルールが成立する予定であるという。
NFLでの人種的多様性および雇用機会の平等を促進する団体フリッツ・ポーランド・アライアンスの代表ジョン・ウッテン氏は、初犯者には自動的に15ヤードのペナルティを科し、2回目以降は退場宣告を科すことになりそうだ。
同氏は、「このルールは試合中だけでなく、駐車場やロッカールームなどのあらゆる場所で適用され、さらに事務員、広報担当も含む、すべての関係者がNワードの使用を慎むべき」だとスポーツ専門局ESPNに語っている。
ことし2月に行われたスーパーボウルで優勝したシアトル・シーホークスのコーナーバック、リチャード・シャーマン選手は3日、「黒人に対する蔑称だけを規制するのは、まるで逆差別。規制するならすべての罵り言葉を禁止すべきだ」と指摘。「Nワードは差別語にあたるが、黒人同士がこの言葉を使う場合はまた解釈が違うし、競技場では日常茶飯事に使用されている」と主張し、新規制案に反対する意向を表明した。
新しいルールが採用されれば、同性愛者を中傷する言葉の使用も規制される可能性が出てくる。