重暴行、性的暴行が増加するも…
犯罪率減少で「アメリカでいちばん安全」と市長
ニューヨーク市警察(NYPD)のティッシュ本部長は6日の記者会見で、昨年、重暴行、性的暴行などの凶悪犯罪が増加したと発表した。その他の犯罪が減少傾向を示す中、懸念の声が高まっている。
こうした凶悪犯罪では、加害者が凶器を使用し、被害者が重傷を負ったりしている。重暴行は2万9417件で前年比5%増。過去少なくとも24年間でも最も多い。性的暴行の訴えは1748件で2020年以来最多。半分近くはドメスティックバイオレンス(DV)に関連している。性的暴行の定義が昨年9月、広くなったことも影響している。
一方、発砲事件は903件で前年比7%減。殺人は377件で20年以来最少を記録。強盗、車両窃盗、窃盗も減少している。同席したアダムズ市長は「今やニューヨーク市はアメリカでいちばん安全な大都市。数字が裏付けている」と胸を張った。
ただし、市内では悪質な犯罪が後を絶たない。クリスマスの3日前には、地下鉄F線の車両内で、デブリナ・カワムさん(57)が火をつけられて死亡した。元日にはクイーンズのクラブの外で、10人が銃で撃たれて負傷した。
ティッシュ氏は警官200人を犯罪が多発している地下鉄駅50カ所に配備すると約束。アダムズ氏はメンタルヘルス問題が多くの犯罪の元凶だとして、自己で治療を受けることができない精神疾患のホームレスを、他人に危害を及ぼす恐れがない場合でも強制的に入院させるよう指示を出している。ニューヨーク州のホークル知事もメンタルヘルスを巡る強制的入院を増やすよう州議会に働きかけている。
ただし、ジョン・ジェイ・カレッジ・オブ・クリミナル・ジャスティスのクリストファー・ハーマン准教授は「定住場所を確保できない、食事に事欠く、経済的に困窮しているなど、その他の問題も解決する必要がある」として「凶悪犯罪が減らなければ市民の体感治安は改善しない」と指摘した。
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