東ハーレムのビル爆発事故 死者8人に ビル所有者は日本人女性

 マンハッタン区東ハーレム地区で12日起きたガス爆発によるビル倒壊事故の死者は14日朝、新たに1人の遺体が発見され、8人となった。54人が負傷したほか、現在も3人の行方が不明となっている。現場では行方不明者の捜索が行われている。
 在ニューヨーク日本国総領事館によると、倒壊した2棟のうち1棟に日本人3人が居住。うち1人と連絡が取れなくなっており、安否が確認できていない。
 また倒壊したビルのうちの1棟は、東京都出身の村松薫さんが所有し、1階ではピアノ店「アブソルート・ピアノ」を経営していた。村松さんは爆発時はビルにおらず、無事だったとのこと。
 不動産登記記録によると、村松さんは前夫のカール・デムラーさんから離婚時の財産分与として、2008年にこのビルを譲渡されている。
 「アブソルート・ピアノ」のフェイスブックページには、事故を心配する友人や仕事関係者から「ご心痛を心よりお察しします。気を強く持って、必ずお店を再建してください」「お店の皆さんのご無事をお祈りします。再建のためにいつでもお力になります」といったメッセージが多数寄せられている。
 当局によると、事故発生の15分前、近隣住民が電気・ガス供給会社コンソリデーテッド・エジソンに「ガス漏れのような臭いがする」と通報していたことが判明。125年前から使われているガス管の損傷が事故原因である可能性が高いとしている。
 今回の事故を受け、13日に現場を訪れたニューヨーク市のビル・デ・ブラシオ市長は被害者に追悼の言葉を述べるとともに、「ガス漏れの恐れを感じたら、時間を問わず、迅速にコンエドまたは311に連絡してほしい」と市民に呼び掛けた。
 現場は同区東116目とパーク街の角。現在も、現場付近に住む多くの人々がブロック内の立ち入りを制限されている。
現場近くに住む女性は、「ビルが簡単に崩れてしまうなんて怖い。自分の住むアパートも含めて、ニューヨークのほとんどの建物は古いため、今後何が起きるか心配」と心境を吐露した。