公共政策のシンクタンク「ザ・センター・フォー・アーバン・フューチャー」が11日に発表した最新の調査結果によると、老朽化したニューヨーク市のインフラの復旧作業に今後5年間で必要な費用は、473億ドルに上ると予想される。
100年前に設置され、毎年平均400カ所もの破損が見つかっている1000マイルに及ぶ水道管に加え、下水管、ガス管、病院、橋、ホームレスシェルターや学校の修繕・新設などに見込まれる342億ドルの資金不足分を、市とその他の機関で分担する必要を強いられる。
マイケル・ブルームバーグ前市長は、任期中にインフラ整備に充てる支出予算を大幅に引き上げており、2007年から10年の間に413億ドルをその費用に充当していたが、既存の資産の管理や修理にではなく、学校および公園の新設に充てていた。
07年には老朽化した水道管が確認され、毎年80マイルを新しいものと交換する予定であったものの、実際には27マイルしか実施されなかった。
現在のビル・デ・ブラシオ市長は、前市長の最終任期4年間の予算案よりも33億ドル少ない336億ドルの予算案を発表しているが、インフラ基盤への取り組みについては方針を明らかにしていない。
同団体は、「ニューヨーク市の公共インフラは、まるで20世紀のよう。これでは、他の世界都市とは互角に競争することができない」と報告書を締めくくっている。