ボストン爆破テロの名誉棄損訴訟 NYポスト紙の却下請求認めず
2013年4月に発生したボストン・マラソン爆破テロの容疑者であるかのように、米紙ニューヨーク・ポストに顔写真を掲載された男性2人が、同紙を名誉毀損で提訴していた件で、ニューヨーク州サフォーク郡上位裁判所は10日、掲載を「公正な報道」として訴訟の却下を求めていた同紙の主張を退け、裁判の続行を決定した。
原告のサラヘディン・バーホウムさんとヤシネ・ザイミさんは事件当日、マラソン会場のゴール付近でレースを観戦した後、爆発が起こる2時間前に会場を後にした。だが同紙は4月18日号の表紙に「バッグ・メン」という大見出しと共に、それぞれ大きなバッグを持っている2人の写真を掲載し、連邦捜査局(FBI)が行方を追っているかのような見出しを付けた。
原告は、昨年6月に同社を名誉毀損で提訴。同紙は、紙面で2人を「容疑者」だとは断定しておらず、名誉毀損に値する法的根拠がないという理由で却下を求めていた。だが裁判所は、同記事は原告が事件に関与していると印象づけるのに十分な内容であるとし、知人らに疑われたり、ソーシャルメディア上で脅迫を受けたりしたとする原告の被害を考慮し、訴訟の継続を決めた。
3人が死亡し、260人以上が負傷した同事件の真犯人は、チェチェン共和国出身のジョハル・ツァルナエフ被告と兄のタメルラン被告(警官隊との銃撃戦で死亡)。ツァルナエフ被告は大量破壊をもたらす武器を使用したことなど、30の罪状で起訴された。