イエローキャブやピザと並んで、ニューヨークのシンボルともいえるベーコンエッグチーズ(BEC)サンドイッチ。昨今の卵高騰で、市内のボデガ50店以上が「鶏インフル救済措置」として卵の代替品を使い始めた。さて、そのお味は?ガーディアンの記者が試食して13日、報告した。

この代替品は、イートジャスト社とビーガンレストランのプランテーガが開発した緑豆ベースの「ジャストエッグ」。全米のスーパー5万店でも入手可能で、16オンス入りで約7.50ドルだ。前者はカリフォルニア州のシリコンバレーが本拠で、フードテックのベンチャー企業。後者は市内のチェーンだが、創業者のニル・ザッカリアスさんは広告業界出身だ。
イートジャスト社のジョッシュ・テトリックCEOは「全ての大手小売業者から引き合いがきている」と話す。ジャストエッグの購入者の91%はベジタリアンでもビーガンでもないと説明。「これを機に、ニューヨーカーにもカリフォルニア産の植物ベースの卵を味わってもらいたい」と期待を込める。
「それでは」と早速、ブルックリンの自宅アパート近くにあるボデガを訪れた記者。代替品使用のビーガンBECは8ドル。手に取ると、あの健全なボリューム感がない。しかしひと口食べると、ベーコンとチーズと卵のコンビネーションの味は本物そっくり。代替卵にはふわふわの食感もあり、満足できる。偽ベーコンは噛み切るのに苦労し、チーズのとろけ具合が物足りないが、「ビーガンBECは代替卵が主役であると断言できる」とポジティブな評価。
BECの魅力の一つは手頃な値段だ。しかし、数年前まで3ドル程度だったBECも今や少なくとも5ドル。10ドルのところもある。割高感のあった代替品使用も高くなくなった。卵の値段上昇は今後も続くと予想されているから、ニューヨーカーは早く代替品の使用に慣れる必要があるかもしれない。
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