世界貿易センター(WTC)跡地に建設中の1WTCで相次いで起きた不法侵入事件を受け、ニューヨーク州選出民主党連邦議会議員のチャールズ・シューマー氏は3月30日、連邦当局に安全対策の見直しを訴えた。
1WCTでは去年9月、ビル内に不法侵入した4人の男がパラシュートで飛び降りるという事態が発生したほか、ことし3月にも16歳の少年がビル内に侵入し、地上541メートルの尖塔部分まで登るなど、セキュリティーの甘さを度々露呈するトラブルが発覚している。
また地元紙ニューヨーク・ポストが、勤務中に居眠りする1WTCの警備員の写真を掲載したことで、警備の在り方についても批判的な声が上がっている。
シューマー氏は国土安全保障省(DHS)に、監視装置の設置や侵入可能な場所がないかを確かめるビル周辺の検査、警備員の仕事ぶりの監視と訓練を求めている。また同氏は、同ビルに安全侵害が起きた場合、6万4750平方メートルの同敷地を所有するニューヨーク・ニュージャージー州港湾局(PA)が責任を負うべきだと指摘した。
PAの警備主任ジョセフ・ダン氏は、現場警備の見直しの第1段階は昨年11月にすでにDHSに提出され、フェンス、CCTV監視テレビ、周辺パトロール、出入り制限などの対策につき記した第2段階の申請については、現在準備中であると主張した。
安全対策の見直しには、ニューヨーク市警察庁(NYPD)も協力することが決定している。