ブロンクス区選出民主党市会議員のジミー・バッカ氏は3月26日、行方不明者の情報提供を呼び掛ける広告を、タクシーに搭載されているテレビで放送することを認める条例案を、ニューヨーク市議会に提出した。
これは、昨年10月にクイーンズ区の学校から姿を消し、ことし1月に学校から数マイル離れた同区カレッジ・ポイントの川岸で遺体となって発見された、自閉症のアボンテ・オクェンド君(当時14歳)の事件を受けて提案された。バッカ氏は30日、地元のラジオ放送で「行方不明者を探すには広範囲にわたる協力が必要であることを、同事件が教えてくれた。市内のタクシーにはすでにテレビが搭載されているので、同条例案の実現は難しいことではない」と訴えた。
アボンテ君が行方不明になった際には、地下鉄のトンネルなどで大掛かりな捜索が行われたほか、駅構内でも情報提供を求めるアナウンスが流された。
27日に発表された報告書によると、アボンテ君の母親は担任の教師に息子が学校から逃げ出す恐れがあることを事前に書面で警告していた。だが、書面が正式なものではなかったため教師は学校当局への報告をせず、教師はアボンテ君失踪の責任も問われていないという。
この件をめぐり、遺族はニューヨーク市を相手取り、訴訟を起こしている。