連邦第2巡回区控訴裁判所は3日、「宗教団体がニューヨーク市の公立学校内で礼拝を行うのを、市が禁止することは憲法違反である」とした連邦地方裁判所の第一審判決を覆し、市はこれを禁止することができるという判決を下した。
同判決は、公立学校で宗教活動を行う宗教団体を、市が排除することを強制するものではなく、市が公立学校での礼拝を禁止することは、宗教や表現の自由を認めた米憲法修正第1条で保護された権利の侵害にはならないということを確認するもの。
同市のビル・デ・ブラシオ市長は以前から、宗教団体が学校で礼拝を行うのは宗教の自由を認めるものであるとして、これを支持する意向を表明していた。
一方、市の立場を支持してきたニューヨーク・シビル・リバティーズ・ユニオンの事務局長ドナ・リーバーマン氏は、市内のあらゆる公立学校で週末になると特定の宗教の礼拝が行われている現状は、生徒や地域に政府が特定の宗教を優遇している事実を伝えているようなものであるとし、判決を「宗教の自由の勝利」と表現した。教会側は、控訴の意向を明らかにしている。
2012年9月の裁判所記録によると、10〜11学年度に学校での礼拝を行うために宗教団体から提出された許可申請書は約100件に上り、そのうち80件が許可を得て、定期的に礼拝を行っている。