ニューヨーク州を拠点とする人気グリークヨーグルトメーカー、チョバニの創設者であるハムディ・ウルカヤ氏をめぐる裁判で、「競合相手からヨーグルトの製造法を盗んだ」とする疑惑が浮上している。
過去数年、米国東海岸を中心に巻き起こっている“グリーク・ヨーグルト・ブーム”の火付け役として知られるトルコ出身のウルカヤ氏は、米国留学中にヨーグルトメーカーを起業することを思い立ち、創業からわずか数年で大成功を収め、「ヨーグルトの王」と呼ばれるまでになった。
ところが、同氏の元妻であるアイス・ギレイ氏がこのほど、ウルカヤ氏を相手取り起こしていた訴訟で、「ウルカヤ氏は欧州に旅行した際、競合のヨーグルトメーカーであるファゲ社の元社員に3万ユーロ(約4万1000ドル)を支払い、同社のヨーグルトの製造法を聞き出した」と告発していることが分かった。
この訴訟はそもそも、ギレイ氏が「チョバニの前身であるユーフレート社に50万ドルの投資を行った際、同社の株式のうち53%の所有権を獲得したにもかかわらず、権利が無効となっている」と訴えていたもので、製造法に関する疑惑以外にも「(ウルカヤ氏は)ユーフレート社を起業した際、資金繰りに困り、実兄の小切手帳を盗み、署名を偽造して不法に金を引き出した」などと主張している。
これらの疑惑についてチョバニの広報は、「法的根拠がない」として全面的に否定している。
またウルカヤ氏は4日、ギレイ氏が虚偽の報告をしているとして、同氏を相手取り訴訟を起こした。ウルカヤ氏は訴状で、「原告は当初の訴訟で勝てないと分かっているから、根拠のない言いがかりをつけているだけ」だと反論している。