地元紙ニューヨーク・ポストが入手した記録によると、ニューヨーク州保健衛生局は、妊娠中絶を行う施設の検査をほとんど実施していないことが判明した。
同州には現在、中絶手術を行う施設が少なくとも225カ所以上あるとされているが、同局が規制しているのは25カ所のクリニックと手術施設のみ。そのうち8施設は2000年〜12年の間に一度も検査を受けておらず、5施設は1回、8施設は2〜3回だけだった。また検査に当たった検査官はこの12年間に45人のみだったという。
同局は、これまでに起きた中絶施設への脅迫や暴行事件を受け、検査を受けた施設に関する情報については公開していない。いくつかの施設では、営業許可証に中絶手術を行うことができる点について明記することを免除されている。
一方、ニューヨーク市の飲食店では毎年検査が実施され、日焼けサロンでも2年に1回以上の検査が必要とされる。同州は、全米でもっとも中絶が多い州のひとつであり、2012年には13万回の中絶手術が行われた。そのうち7万3815回はニューヨーク市内で施術された。