マンハッタン区東ハーレム地区で先月起きたガス爆発によるビル倒壊事故現場の近隣ビルの住人らが11日、ニューヨーク市を相手取り、訴訟を起こした。事故後、倒壊したビルに隣接する東116丁目89番地の5階建てビルは、危険なレベルの鉛やアスベストを含む埃で汚染されていたにもかかわらず、同市は安全であると認定していたという。
8人が死亡し、数十人が負傷した3月12日の事故後、近隣の住民や企業はニューヨーク市住宅局により避難を命じられたが、その後、危険な状態は収まったとして、19日と4月2日に同局が避難解除宣言を出したため、住民らはビルに戻っていた。だが、住民らが依頼した民間業者の調査により、あるアパートの台所では1平方フィートあたり420マイクログラムという、連邦政府が定める危険数値の10倍以上にあたる濃度の鉛が観測された。また別のアパートでは、電子レンジの上の埃から86マイクログラムの鉛が確認された。さらに安全基準を超える濃度のアスベストも、大気中で観測されている。
報告を受けたビル所有者は、住民らが各自で清掃するよう要請していた。これを受け住民らは市に対し、ビル所有者にビル内を徹底的に清掃するよう要請し、完了するまでの間滞在できる緊急シェルターを用意するよう求めている。これらの住民の多くが、汚染大気が子どもたちの健康に及ぼす影響を懸念している