ニューヨーク市にある歴史ある古いビルを解体から保護するための条例案に対し、マンハッタン区のゲイル・ブルーアー区長が土地開発業者や建設労働組合から強い非難を受けている。
ブルーアー区長が近く提出する予定の同条例案は、築50年を超えるビルの解体許可を発行するためには、歴史的建造物保存委員会(LPC)による30日間の検査を受けることを義務付けるもの。
条例案のきっかけとなったのは、ニューヨークのアイコン的存在として人々から長年にわたり親しまれてきた、西57丁目のリゾーリ書店の取り壊し。同氏は条例案の作成にあたり、不動産業者協会とLPCと共に、公聴会を開いている。
同条例案は現在作成中で、検査を受けるべき築年数については確定しておらず、提出が先延ばしとなる可能性もある。
ニューヨーク市のデータによると、市内にあるビルのおよそ80%は築50年を超えており、そのうちのおよそ91%がマンハッタン区に集中しているという。さらにその半数以上は築80年を超えており、同区に限れば100年を超えものも数多く点在している。
土地開発業者や建設労働組合、手頃な価格の住宅建設推進団体などは、条例が法制化されると、市経済の主要動力のひとつである建設・開発に制約がかかるのではと懸念している。