ボストンのブリーガム・アンド・ウイメンズ・ホスピタルのジョーアン・マンソン教授らはこのほど、ダークチョコレートの成分であるカカオ・フラバノールに、心臓発作や脳卒中を予防する効果があるかを調べる大規模な研究を行うと発表した。研究では、高濃度のフラバノールをカプセルにしたものが使用される。
フラバノールの健康効果については、これまでも小規模な研究によって、血圧、コレステロール値などのほか、心臓に関する機能を改善する効果が認められている。今回の研究では、国内の男女1万8000人を対象に、フラバノールの効果を4年にわたって調べる。
研究に用いられるフラバノールのカプセルを製造するのは、同研究のスポンサーである製菓大手のマーズ社。M&M’sやスニッカーズを主力商品に持つ同社は、高濃度のフラバノールを抽出する技術で特許を取得している。
マンソン教授によると、チョコレートの成分を含むカプセルは市販もされている。しかしフラバノールの濃度は、今回の研究で使用されるものよりかなり低い。また市場に出回っているキャンディーバーに関しても、製造の過程でフラバノールが破壊されるため、その効果はあまり期待できないという。