災害に備えたインフラ整備計画 ペン駅の改良が最優先

 ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は先月、大型の自然災害に備えたニューヨーク市交通網のインフラ整備にかかる費用の援助を求める申請書を連邦政府に提出したが、その最優先事項にニューヨークの玄関口であるペンシルべニア駅を挙げた。
 ニューヨーク・ニュージャージー州港湾局(PA)と共に知事が提出したリストには、インフラ整備が必要とされる32の物件名が優先順で明記されている。
 リストでは、ペンシルベニア駅の工事費だけで5億1600万ドルが必要だと推定しているが、このうち連邦運輸局の連邦補助金から捻出できる額は3億8700万ドル程度。リストには他に、3億2100万ドルをかけて行われる予定のイーストリバー・トンネルとペンシルべニア駅の保護、1億8200万ドルを投じる地下鉄ロッカウェー線の保護などが続く。
 連邦政府はすでに、ハリケーン「サンディ」による被害を受けた地域の復興助成金として30億ドルの補助を約束しているが、知事の計画を遂行するには総額49億ドルが必要とされるため、差額の19億ドルは州が負担することとなる。
 承認には、連邦機関の再検討が必要で、州はその答えを待つこととなる。
 1964年に改築したペンシルベニア駅は市内を網羅する地下鉄各路線に加え、近郊の都市からの中距離列車なども乗り入れ、1日平均65万人が利用する。