ニューヨーク州では、臓器移植の需要増加に反し、提供者(ドナー)が不足。全米で3番目に移植需要が多いという。
ニューヨーク州ドナー・アライアンスの調べによると、現在ニューヨーク州では全米で順番を待つ総患者数の10分の1にあたる1万500人以上が、臓器や細胞組織の提供を待っているという。一方、ドナー登録数に関しては、同州は常に全米最低レベルで、全米の有資格者の43%がドナーとして登録しているが、同州では22.8%と非常に少ない。
ニューヨーク市の中でもマンハッタン区内におけるドナー登録者は比較的多く、120万人の有資格者のうち30%が登録を済ませている。だがそれ以外の区ではスタテン島が15.5%、ブルックリン区が13.75%、ブロンクス区が11.9%、クイーンズ区が10.7%と全体的に低い。
ニューヨーク州での登録者が増えない原因については、登録方法が複雑である点ではないかと考えられている。同州では現在、自動車運転免許または身分証明証の保持者はオンラインからドナー登録をすることができるが、所持していない市民は陸運局事務所まで出向くか公式ウェブサイトから申請書を入手し、同局へ郵送しなければならない。このため、同州では早急な登録の簡素化の必要性が問われている。
ニューヨーク・オーガン・ドナー・ネットワークは、「過去2〜3年はドナー登録者が増加傾向にあるものの、需要と供給のバランスを考えると、まだまだ足りない」と指摘。統計によると腎臓移植のドナーを待つ患者の6〜7%は、1年以内に死亡する。平均待ち期間は5年間と言われているため、適合者が見つかる前に30%が死亡するという。