ホームレスへの食料配給を禁止 全米複数都市で条例


 ホームレスに無料で食料を提供する行為を禁じる条例が、全米の複数の都市で導入されている。
 アラバマ州オネオンタ市のザ・ロードズ・ハウス・オブ・プレイヤー教会のリック・ウッド牧師は先月、市内の公園でホームレスにホットドッグやペットボトルの水を配っていたところ、バーミングハム市警の警官から、新条例に違反するとして即座に止めるよう勧告を受けた。牧師は地元のニュース局に、「ホームレスたちは空腹なのに、食べ物を買う金がない。援助が必要だ」と訴えた。
 同市当局は、同条例は汚染された危険な食料からホームレスを守るためのものであると主張しているが、監視団体は、ホームレスを公園などから追い出すことが目的なのではないかと懐疑的だ。
 現在、全米の50都市以上でホームレスを追い出すための対策が講じられ、この数年間にキャンプ禁止条例や食料配給禁止条例などを導入。それに伴い、ホームレス擁護団体が各市を相手取り、訴訟を起こしている。
 テキサス州ダラス市での訴訟では、食料配給場所に制約を設けた市の条例に反対していた団体が勝訴。ニューメキシコ州アルバカーキ市では2010年に、食料を与えていた人々が逮捕された事件で先週、市は起訴を取り下げ、9万8000ドルの和解金を支払った。