NY州学力基準テストにブランド商品名 宣伝目的を疑う声も

 ニューヨーク州で昨年導入された新学力基準テスト「コモンコア」について、さまざまな大手ブランドの商品名がテスト本文中に登場し、一部で「テストが広告として利用されているのではないか」という疑念の声が上がっている。
 これまでに同テストに登場したのは、米国の定番人形「バービー」やアップル社の人気MP3プレーヤー「アイポッド(iPod)」、清涼飲料水の「マグ・ルート・ビアー」、リング型キャンディーの「ライフセーバー」などの商品。また、リスクを恐れずに行動することをテーマとしたテストの文章中で、スポーツ用品大手ナイキの広告用キャッチフレーズである「ジャスト・ドゥー・イット(Just Do It)」が用いられた例もあるという。
 ニューヨーク州教育局およびテストの出版元は、商品名はテスト題材に用いた英文に偶然含まれていただけで、企業から金銭を受け取っているわけではないと説明している。
 しかし、教育専門家や教育現場からは、「テストの文章で、実際に存在する商品名を使うことが必要だとは思えない」「ナイキのキャッチフレーズの代わりに歴史上の人物を使うなど、他の方法はいくらでもあるはず」「宣伝目的で商品名を用いているのでは」と疑問視する声が上がっている。
 コモンコアに関してはこれまでにも、「内容が難しすぎる」「生徒が学校で学んでいることにまったく対応していない」などの批判が相次いでいる。