大川小遺族、高校生に講話

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共同通信
被災した宮城県石巻市立大川小の校舎前で、高校生らに講話する佐藤敏郎さん(右端)=8日午後

 東日本大震災の津波で児童74人が犠牲となった宮城県石巻市立大川小で8日、遺族が語り部となり、青森、三重、兵庫各県から訪れた高校生や教員ら約80人を相手に講話した。6年だった次女みずほさん=当時(12)=を亡くした佐藤敏郎さん(58)が「救えた命だった。皆さんは避難訓練やマニュアル作りに本気で取り組んで」と訴えた。

 冷たい風が吹く中、高校生らはむき出しになった校舎の鉄骨や泥の跡が残る2階の天井などを見学。佐藤さんが「今後災害があっても、あの日の悲しみや後悔が(誰も犠牲にならない)ハッピーエンドの未来のきっかけになれば」と話すと、真剣な表情で聞き入った。