安全性問われるメトロノース 10年で違反139件

 全米第2位の通勤鉄道であるメトロノース鉄道が、安全基準違反と機材不備により連邦鉄道公社(FRA)に支払った罰金が、過去10年間で合計55万2000ドルを超えることが分かった。コネチカット州選出のリチャード・ブルメンタル連邦上院議員がこのほど、発表した。同氏はこの金額について「恥ずべき数値」であると語り、同鉄道の安全と信頼回復のため、早急に対策を講じるべきだと強調した。
 ブルメンタル氏によれば、2004年以降の違反件数は139件に上り、100マイル毎に換算した場合の機材不備の件数は、全国でもっとも多いという。
 メトロノース鉄道は昨年、死者4人および多数の負傷者を出したニューヨーク市ブリッジポートでの事故をはじめとする2件の脱線事故を起こしている。
 139件の違反のうち、60件は実際に事故が起きて発覚したものだった。また11件はアルコールや薬物の使用に関する違反、27件は乗客用の安全対策機材に関するもの、24件は運営業務に関するものなどだった。
 ブルメンタル氏は、違反件数が5年前から急増していたことを挙げ、「違反が増えた時点で、FRAが罰金を引き上げるなどの対策を取っていれば、昨年の事故は発生しなかっただろう」と批判した。
 メトロノース鉄道の昨年の利用者は、8340万人を超えた。