ベースジャンパーに寛大な措置を 9.11の遺族が要請


 昨年9月、米中枢同時テロの跡地に建設中のワン・ワールド・トレードセンター(1WTC)に男らが侵入し、ビルの屋上からパラシュートで飛び降りた事件で起訴されている被告4人について、テロの犠牲となった消防士の遺族らが、罪の軽減を求める申請書を裁判所に提出していたことが分かった。
 申請書は被告らの弁護士が裁判所に提出した裁定申請書に添付されたもので、「被告らが容易に敷地に侵入したとすれば、警備を担う港湾局(Port Authority)側の失策は被告らの罪よりもはるかに重い。同局はテロで亡くなった多くの犠牲者から何の教訓も得ていないと言わざるを得ない」と申し立てている。
 さらに遺族は、先月にも16歳の少年が敷地に侵入し、ビル屋上へ上がった事件も挙げ「港湾局側の責任は重大で、被告らには寛大な措置が与えられるべきだ」とも述べている。
 被告らは、建造物侵入の重罪とその他の罪で起訴されているが、マンハッタン区の州最高裁判所で6日、全員が無罪を申し立てた。
 4人は犯罪を目的とする住居侵入という重罪に問われているが、弁護士は「建物の屋上から飛び降りただけであり、重罪には当たらない」として、軽罪での起訴が妥当だと主張している。