“ロシアの安全保障を脅かす”
ウクライナNATO加盟の動きに激怒
ロシア軍によるウクライナ侵攻が現実の事態となり、全世界に衝撃が走った。プーチン大統領は、欧米各国による外交努力を踏みにじり、首都キエフを含めた主要都市への攻撃で、数十人に上る死傷者が出ている。ニューヨーク・タイムズ(24日付)は、今次の状況を招いた背景などについて解説した。
プーチン氏は長年にわたり、ロシア帝国とソ連の一部であった隣国ウクライナに対する支配権を唱えてきた。北大西洋条約機構(NATO)は東西冷戦の崩壊後、ハンガリーやポーランド、チェコなどの東欧諸国に加え、旧ソ連のエストニア、ラトビア、リトアニアのバルト3国など旧東側諸国を続々と加盟、勢力を拡大させた。
NATOは2008年、ウクライナと旧ソ連のジョージアも加盟する可能性があるとの認識を表明。これは、大国ロシアの復活に執念を燃やすプーチン氏にとって、許容範囲を超えた。とりわけ、国境を接するウクライナのNATO加盟は、ロシアの安全保障を脅かす動きになるとして、プーチン氏は激怒したという。
ロシアは昨秋以降、ウクライナとの国境沿いや旧ソ連の同盟国であるベラルーシに軍隊を集結。米国と英仏独など同盟国は、従来は機密とされていた情報を次々と公開し、ロシアによる軍事行動の可能性を示唆した。ロシア側は侵攻を否定する言動を続けたものの、攻撃に踏み切った。
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