ニューヨーク・ニュージャージー州港湾局(PA)と共同で、1ワールド・トレード・センター(1WTC)を所有する開発業者ダースト・オーガニゼーション社のダグラス・ダースト代表は23日、同ビルの貸オフィススペースの借り手が決まらないため、賃貸料を値下げすると発表した。
高さ約541メートルで、総工費39億ドルを投じて建設された同ビルは、ことし末にオープン予定だが、過去3年近く民間オフィススペースの賃貸契約が1件もなく、全体の55%しか借り手が決まっていないという。
大手テナントの同ビル中層階の賃貸料は当初、1平方フィートあたり75ドルだったが、10%値下げし69ドルになる模様。
近年、マンハッタン区のダウンタウンエリアでのオフィス賃貸市場は活発で、先週、タイム社がミッドタウンからブルックフィールド(旧ワールド・フィナンシャル・センター)へのオフィス移転を発表したばかり。また、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン社も40万平方フィート以上の賃貸を、同ビルと交渉中だという。
ダースト氏は、同エリアの他のビルの賃貸料が1平方フィートあたり50ドル台と安価なことが、1WTCのテナント不足の原因であると考えている。
不動産業者カッシュマン&ウェイクフィールド社によると、ことし第1四半期の同エリアでの最高級ビルの賃貸料は、平均53.87ドルだった。