エレベーターで無差別殺人 ブルックリン区、子ども2人死傷

 ブルックリン区のアパートのエレベーター内で1日午後6時ごろ、子ども2人が男に肉切り包丁で襲われ、6歳男児が現場で死亡、7歳女児が重傷を負うという悲惨な事件が起こった。4日午後現在、逮捕者はいない。
 ニューヨーク市警察庁(NYPD)の発表によると、現場は東ニューヨーク地区の低所得者向け住宅ブルバードハウスで、プリンス・ジョシュア・アビット君とミカイラ・ケイパーズちゃんは、アイスクリームを買いに行くため二人でエレベーターに乗ったところを、男に肉切り包丁で切りつけられ、何度も刺された。
 プリンス君はエレベーター内で死亡、ミカイラちゃんは男に追われながらも逃げ出し、近所の建物の前で倒れているところを発見された。ミカイラちゃんは病院で手術を受けたが、危篤状態となっている。
 東ニューヨーク地区では2日前にも、今回の現場の数ブロック先で、18歳の女性が胸を32回も刺され殺害されるという事件が起きたばかりだった。
 NYPDは、2つの事件の現場が近いことや凶器のタイプが酷似していること、どちらも現場付近から凶器が発見されていることなどから、同一人物による犯行である可能性があるとして、捜査を進めている。

被害少年の叔父、男の顔「見覚えある」

 1日にブルックリン区内のエレベーターで発生した少年少女殺傷事件で、殺害されたプリンス・ジョシュア・アビット君(6歳)の叔父ニコラス・アヴィットさんが、警察が公開した容疑者の男の似顔絵について「見覚えがある」と証言していることが3日、分かった。
 ニコラスさんは「この近所でよく見掛けるホームレスの男に酷似している。シェルターなどを徹底的に調べてほしい」と話している。また現場周辺の複数の住人も、似顔絵に似た男を見たことがあると話している。
 NYPDは容疑者逮捕に繋がる情報提供者には、6万3000ドルの報奨金を支払うとして、市民にも協力を呼び掛けている。