意外か本命か? トニー作品賞は「ジェントルマンズ・ガイド」

 演劇界でもっとも優れた作品や役者などに贈られるトニー賞の受賞式が6月8日、マンハッタン区内のラジオシティ・ミュージックホールで行われ、「ア・ジェントルマンズ・ガイド・トゥ・ラヴ・アンド・マーダー/紳士のための愛と殺人の手引き(A Gentleman’s Guide
to Love & Murder)」がミュージカル作品賞を受賞。同作品は、ことしのトニー賞で最多9部門10ノミネートされていたが興行成績が振るわなかったため、この結果に不満を持つミュージカルファンや関係者も少なくないようだ。
 同作と並び本命とされていたのが、キャロル・キングの伝記ミュージカル「ビューティフル(Beautiful)」。わかりやすい内容も万人受けし、週間興行収入が100万ドルを超える大躍進を遂げたが、物語的要素を盛り込んだ緻密な脚本が評価され、「ジェントルマンズ・ガイド」に軍配があがった。
 例年、同受賞式で作品賞を獲得すると観客動員数が激増することが見込まれるため、同作品のプロデューサーらは喜びを隠しきれず飛び上がる様にステージに上がった。リードプロデューサーのジョーイ・パーンズ氏は「小さいエンジンでもやったぞ!」とコメントした。また、同作品はミュージカル脚本賞、ミュージカル演出賞、ミュージカル衣装デザイン賞にも選ばれた。
 もうひとつの目玉である演劇作品賞は、リンドン・ジョンソンの人権活動をテーマにした「オール・ザ・ウェイ(All the Way)」が受賞した。
 第68回となる今回は、米俳優のヒュー・ジャックマン氏が司会を担当。若年層のファン獲得を狙い、人気ヒップホップシンガーのT・I・やLLクールJとともにブロードウェーミュージカル「ザ・ミュージック・マン(The Music Man)」の「ロック・アイランド(Rock Island)」をラップ調で披露した。