9日午後5時45分ごろ、マンハッタン区のセントラルパーク周辺で、観光用の馬車を引く馬が逃走する事故が発生した。
突然手綱から逃れた「パンプキン」と呼ばれる馬は、セントラルパークを疾走。引きずっていたキャリッジがタクシーのドアに引っかかり身動きがとれなくなったところを捕獲された。馬車には御者・乗客いずれも乗っていなかった。
チームスター労組によると事故当日、逃走を試みたパンプキンは、通常通りのルートを周っていたという。逃走後、5番街と59丁目の交差点に駐車していたタクシーのドアに激突。数人の御者に捕獲された。
業界団体の広報担当者は、事故について「けが人は無く、馬も無傷。事故により、馬車業界に携わる者のプロ意識の高さがあらためて立証された。御者たちは、逃げ出した馬がどちらに向かうか見抜き、無事に捕獲した」とコメント。
だが一方、セントラルパークでの観光馬車の運営に反対する地元の動物愛護団体NYCLASSは「この事故により、馬車を廃止すべきだということが明らかになった」と主張。事故を受けて発表された声明文で同団体は「馬車はニューヨーク市の交通事情に適していない」とし、観光馬車の廃止を訴えた。
ことし1月に就任したニューヨーク市のビル・デ・ブラシオ市長は、就任直後から観光用馬車を廃止する意向を表明しており、年末までの実現を目指すとしている。