フレンチのカリスマシェフ 従業員から集団訴訟

 フランス料理のセレブシェフ、ダニエル・ブールー氏が経営するレストランの従業員が、同氏を相手取り集団訴訟を起こしている。
 マンハッタン区の民事裁判所に提出された訴状によると、同氏は①経営する6軒のレストランで行われたプライベートのイベントで、参加者がサービススタッフのために支払ったチップを着服②チップをもらって働くサービス担当スタッフに、洗面所の清掃やごみ出し、床の清掃など、チップがもらえない仕事をさせた③サービススタッフのチップを厨房のスタッフと分けるように指示する—など、労働規約に違法する行為を行っていた。またブールー氏は、チップをもらって働く従業員に、法律で定められた8ドルの最低賃金を支払わず、時給5ドルで労働させていた疑いも持たれている。
 集団訴訟に名を連ねる従業員の数は500人に達するものと見られ、2008年まで遡ったチップおよび未払い分の賃金が請求される。
 9日には、これとは別の88人の従業員が連邦裁判所に同様の訴えを起こしていた集団訴訟の裁判で、和解が成立している。和解金の金額など、詳しい内容は明らかにされていない。
 同氏は、年間最優秀シェフなど数々の賞を受賞し、中でももっとも成功しているレストラン「ダニエル」は、ミシュランの3ツ星を獲得。バラク・オバマ大統領も訪れている、ニューヨークを代表する超一流店だ。