盗難に遭った場合などに遠隔操作でモバイル機器を利用できなくする「キルスイッチ」機能を2013年9月以降に発売の「iPhone(アイフォーン)」に搭載したことにより、アイフォーンの盗難件数が大幅に減少したことが分かった。だがその反面、キルスイッチ機能を搭載していないスマートフォンの盗難件数は増加した。
昨年、スマートフォンの盗難対策のためのイニシアチブを立ち上げたニューヨーク州のエリック・シュナイダーマン司法長官は「統計によりキルスイッチの効果が立証された」とし、グーグルとマイクロソフトが次期モバイルOSに同機能を搭載することに合意したことを受け「消費者の保護に大きく貢献する」と評価した。
ニューヨーク市では14年1月〜5月の期間中のアイフォーンの盗難は19%減少した。これに対し、キルスイッチ機能が搭載されていないサムスンのスマートフォンの盗難を含む重窃盗罪は、昨年比で40%以上増加。サムスンはことし4月からキルスイッチの導入を実施している。サンフランシスコ、ロンドンの2都市でも、同様の傾向が見られた。
シュナイダーマン司法長官と協力してイニシアチブを立ち上げたサンフランシスコのジョージ・ガスコン検事は、スマートフォンの盗難防止技術の効果が立証されたとして「今後、州、連邦レベルでキルスイッチ機能の搭載を義務化すべき」と強調した。