ニューヨーク市衛生局は、ごみの不法投棄対策として2011年から公共ごみ箱の撤去を試験的に実施してきたが、未だに民間企業や一般家庭から出たごみの不法投棄が絶えないため、頭を抱えている。
市衛生局は、これまでに95個の公共ごみ箱を撤去してきた。ブルックリン区でも、以前からごみの不法投棄が問題となっていた人通りの多いエリアでは、撤去によりごみの不法投棄が減ったケースも多いという。しかし、バス停や地下鉄の駅付近など一部のエリアではごみ箱の撤去後、歩道にごみが捨てられるようになり、再設置を余儀なくされた。「街の美化を推進するためにはごみの収集回数を増やすべき」という声も少なくないが、コスト面を考慮すれば、ごみ箱の撤去が合理的だ。
ニューヨーク市では現在、違反者に対し100ドルの違反切符を発行しているが、14会計年度の発行件数は前年同期比で9%増加しているものの、12会計年度の4185件からは大幅に減少。
ごみ取締係が違反切符を切るためには現行犯を捕まえることが条件となっており、現場を取り押さえるのはきわめて困難だという。
こうした状況に、多くの市民は不満を募らせているようだ。