ユニクロUSAの最高経営責任者(CEO)であるラリー・マイヤー氏による講演会「日本発のファストファッションを世界へ:ユニクロの国際成長戦略」が17日、マンハッタン区ミッドタウンにあるジャパン・ソサエティーで行われた。マイヤー氏は、同社の国際成長において重要なポイントを実例とともに紹介。①国際基準②十分な情報交換③組織としての管理能力の3項目が、今後の課題と述べた。
同社の国際基準の一貫性が鍵を握るとし、店舗のデザイン、商品の質、スタッフの対応などを国、地域問わず統一することに重点を置く。その理由は、日本のブランド独特の優れたサービスと品質にこだわった商品がユニクロの強みであり、「どの地域、国でも同じくユニクロの高いクオリティーを提供することが店舗を拡大するにあたっての最優先事項である」と主張。リテイルビジネスはチームワークが大事であり、日米間の十分な情報交換、コミュニケーションは不可欠と指摘した。また同氏は、「日米異なる文化が混ざり合う環境で、どのように円滑に作業を進めるのかが、今後、組織としての管理能力として問われることとなるだろう」と予測した。
マイヤー氏は、現在米国に17店ある店舗数を、2020年までに200店舗まで拡大する意向を表明した。また、ライバル社について「ユニクロはエイチ・アンド・エムなどのファストファッション・ブランドとはヒートテックなどの商品ですでに差別化ができており、不況が続くなかでも勝ち残れる」と明言した。
同氏は米ファストリテイル大手フォーエバー21の取締役副社長を経て、2013年12月にユニクロUSAのCEOに就任。同業界の一線で活躍しているマイヤー氏がユニクロを世界進出へリードするとあって、同講演にはアーバン・アウトフィッターズの人事部長マリー・ベス・ケネディー氏など多くのファッションおよびビジネス従事者が集まった。