気候変動による経済的インパクト 著名人ら「今こそ、行動を」

 気候変動の問題を解決できなければ、22世紀には米国の沿岸部で2380億ドルに相応する資産が失われる―マイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長をはじめとする、著名な政治家や企業家が共同で発信するプロジェクト「リスキービジネス」の報告書により明らかとなった。
 同報告書では、地球温暖化に伴う干ばつや洪水、猛暑といった異常気象により、米国の産業や地域が直面する潜在的なコストを算定。このような災害を未然に防ぐためにも、ビジネスリーダーが中心となって行動を起こすよう、呼び掛けている。
 23日に行われた記者会見で、ブルームバーグ氏と共に同プロジェクトの共同議長を務めるヘンリー・ポールソン前財務長官は「気候変動は環境だけの問題でなく、米国経済にも大きな影響を及ぼす」と指摘。「この報告書が行動のきっかけとなれば」と話した。
 一方で、同報告書には温暖化の影響を受ける可能性のある多くの地域が、まったく考慮されていないという問題点もある。
 2012年、大型ハリケーン「サンディ」が来襲し大きな被害を受けたニューヨーク市および一部沿岸地域の被災状況・復興への取り組みに注目する一方で、同じく甚大な被害を受けたニューヨーク州アップステートに関する情報は極端に少ない。
 今後、頻繁に発生すると考えられる異常気象に備えて、何十億ドルという単位で設備投資を行っていく上でも、このような情報の偏りは問題である。

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