グラセンに命名「ジャクリーン」 救世主を称え

昨年、100周年を迎えたグランドセントラル・ターミナル


 ニューヨークの玄関口として知られるマンハッタン区ミッドタウンにあるグランドセントラル・ターミナル。ニューヨーク州都市交通局(MTA)は、同地のパーク街沿い東42丁目に新しくできた入口を、同ターミナルの救世主である故ジャクリーン・ケネディ・オナシスさんの功績を称え「ジャクリーン・ケネディ・オナシス・ホワイエ(ロビー)」と名付けた。30日には同地で記念式典も行われた。
 1966年、再開発のためにニューヨークのランドマークとして知られる同ターミナルを取り壊し、その跡地に55階建ての高層ビルを建設するという案が浮上。これを受けジャクリーンさんはニューヨーク市などとともに反対運動を起こし、連邦裁判所まで争った末に、計画は撤回された。67年には歴史建造物の指定も受け、現在では永久保存が確定している。
 記念式典であいさつしたMTAのトーマス・プレンダーガスト総裁は、「オナシス夫人は、グランドセントラル・ターミナルを救ったのではない。ニューヨーク市民の心を救った」と強調。「今日まで世界中の人々に愛されてきたこの美しい建物は、人と人とを繋ぐ架け橋である」と語った。
 ジャクリーンさんは63年に暗殺されたジョン・F・ケネディ元大統領の未亡人。68年にギリシャの大富豪アリストテレス・オナシスさんと再婚した。
 生前はマンハッタン区5番街沿いの82丁目付近にあるマンションに住んでおり、目の前に広がるセントラルパークの池の周りをよくジョギングしていたことが所以で、同地はジャクリーン・ケネディ・オナシス貯水池と名付けられている。