ブルックリン区の地方検事事務所は8日、少量の大麻(マリファナ)所持を不起訴にする方針を明らかにした。過去数十年の間にニューヨーク市で大麻所持よる逮捕件数が激増しており、特にマイノリティーの若者に不均等な負担がかかっていることを考慮した政策。
現在でも少量の大麻所持であれば逮捕されても最終的には見逃されることが多いが、同政策の実施により逮捕・勾留・起訴という過程を省き、ニューヨーク市が大麻吸引者に費やす経費を削減し、逮捕者への負担を減少させることを目的としたもの。
少量の大麻所持を重犯罪と見なすことに否定的な意見は、以前から同区以外でもあった。ブロンクス区やマンハッタン区の地方検事事務所は、州法改正案も提示した。その一方で、スタテン島を含む一部の地方検事事務所は現行の州法に従うべきとしている。
ブルックリン区の決断により、今後同じニューヨーク市内であっても場所により大麻所持の扱いが異なってくる可能性がある。同区は市でもっとも大麻関連の逮捕件数が多く、特に問題となっている。
ニューヨーク市警察(NYPD)のビル・ブラットン本部長は同事務所の方針に一定の理解を示しながらも、「NYPDとしては、市内の全5区においてNY州法を遵守する必要がある」とコメントした。
1977年に州法が改正されて以来、ニューヨーク州では25グラム以下の大麻を所持している場合、重犯罪ではなく罰金処分のみの軽犯罪扱いとなる。しかし、所持者の多くが警官に路上で呼び止められポケットから出てきたところで「公衆の面前」という理由で逮捕されている。