METオペラ、終わらない労働争議 労働協約満了まであとわずか 

 ニューヨークオペラ歌劇場(MET)は新しい労働協約の締結を巡り、5月から16ある従業員労働組合のうち15組合との交渉を続けているが、未だに合意に達することができないという。現行の労働協約が満了となる7月31日を過ぎても合意に達することができない場合、同オペラ歌劇場は一時閉鎖される予定。
 METオペラは閉鎖の可能性について声明文を発表し「MET従業員労働組合には、ぜひ組織全体でコスト削減を実施することの必要性を認識してほしい。 9月22日の開幕準備を順調に進められるよう、現行の労働協約が満了になる前に合意に達することを望む」とコメント。
 METオペラは、興行収入が減少していることや資金供給側から今以上の援助を期待出来ないこと、さらには人件費が運営予算の3分の2を占めていることを理由に、従業員の給与を最高17%カットすることを提案しているが、実際には場合によって37%の賃下げとなるという。
 一方で、組合側はMETオペラの資金不足をずさんな経営のあり方や予算の無駄遣いによるものとし、経営側の失敗を従業員の賃下げで解決するやり方を疑問視している。また、国内でも最高水準の給与を得ている演奏家、歌手、舞台係といったスタッフの残業時間を減らすべき、と主張している。