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2013.08.10 NEWS NY

連邦政府がウエストチェスター郡を提訴 ずさんな水道水の品質管理


 生命への危険を及ぼす可能性のある感染症の原因となる寄生性原虫に対し適切な水処理を行っていないとして、米連邦検事局と環境保護庁がニューヨーク州ウエストチェスター郡を提訴していることが分かった。
 連邦当局は、同郡のスカースデールやホワイトプレーンズ、ヨンカースでは昨年4月以来、水道水を適切にろ過せずに郡内各地域へ供給していると指摘。これは安全飲料水法違反にあたるとして、訴訟に踏み切った。訴状によれば、17万5000人の市民が感染の恐れのある水道水を利用していることになる。
 一方、同郡の広報担当者は、連邦当局が郡関係者と協力してこの問題を解決することなく提訴に至ったのは大変遺憾であるとし、郡としては「1年以内に水処理の問題を解決する計画ができている」と説明した。
 懸念される原虫はクリプトスポリジウムで、これに感染すると発熱、下痢、嘔吐、腹痛などの症状を引き起こし、重症の場合は死に至る可能性もあるため、幼児や高齢者、妊婦は特に注意が必要とされている。現在、有効な治療薬はないため、感染防止が最も重要となる。
 同郡保健局は、郡内の水道水は安全でこれまで感染報告はないとしているが、連邦当局は消化器系疾患の場合は原因を特定することが難しく、問題が見逃されている可能性もあると指摘している。

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